逸材ロック

菊花賞TR「セントライト記念・G2」(16日・中山)、無傷3連勝でラジオNIKKEI賞を制した逸材ロックドゥカンブが、美浦芝で軽快な動きを披露。ニュージーランド産の“遅生まれ”だけに、ひと夏を越した成長度もピカイチ。さらにたくましくなった姿で、2つ目の重賞タイトルを目指す。連勝継続で菊花賞に殴り込みをかける構えだ。なお、新コンビを予定していた藤田が13日早朝に負傷、前走から引き続き柴山が騎乗することになった。

 寸分の狂いもない調整だ。先週まではキンシャサノキセキなど自厩舎の先輩に胸を借りる形でビシビシ追われてきたロックドゥカンブだが、最終追い切りは美浦芝で余裕をもたせた内容で締めくくった。

 5F標識からライモン(古馬500万下)を約2馬身追走。リズミカルにフットワークを刻んでいく。残り1Fで一度は馬体が並びかけたが、最後は軽く仕掛けた程度でスッと反応し1馬身ほど抜け出したところがゴール。4F53秒6-38秒8-12秒1でまとめた。

 「自分で歩いてみたら本馬場(の状態)が一番良かったから」。芝での追い切りを選択した理由をそう説明した堀師。前日までの激しい降雨で馬場は軒並み芳しくない状態。悩んだ末の芝での追い切りは、それだけ慎重を期した調整だった。「時計も予定通り。しまい重点とはいえしっかり反応していたし、体全体を使って走っていたね。状態は本当にいいと思います」。先週までは、追われての伸びに物足りなさもあったが「反応が鈍かった点もこれで補えた」と狙い通りだったことも付け加えた。

 南半球産のため満3歳を迎える誕生日が9月29日。それは、日本で走る通常の馬に比べ、成長段階が半年ほど遅れていることを意味する。「調教自体は目標レースに向けてしっかりやるだけ。ただ、競馬や強い追い切りの後にダメージが残るから、間隔をつめて使えない。正直、試行錯誤の段階であるのは事実。でもこの馬は気性がいいし、デビュー前から心拍数も非常に良かったから」と、トレーナーは持って生まれた才能に期待を込める。

 菊花賞(10月21日・京都)挑戦は「あくまで結果次第」と明言を避けた。だが、半年遅れでも互角以上に戦えることは、既に春に証明済み。堂々と名乗りを上げてみせる。

デイリースポーツ

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