「粉飾」決算

一時国有化中の足利銀行(本店・宇都宮市、03年11月破綻(はたん))が、破綻前の粉飾決算に関与して損害を与えたとして、当時監査を担当した中央青山監査法人(現みすず監査法人)などを相手取って損害賠償を求めた訴訟で、両者が和解の方向で基本的に合意に達したことが1日、関係者の話で分かった。双方の代理人が2日にも、宇都宮地裁で和解文書に調印する見通しだ。

 訴状などによると、足銀の旧経営陣は01年3月期に資産や不良債権を甘く見積もり約11億円を違法に配当。旧中央青山の会計士らも粉飾の手口などを助言し、これに加担したとされる。

 地裁に和解を促されたこともあり、両者が会計士の法的責任の明記と和解金額を巡って交渉を重ねていた。足銀が特に和解の前提としていた法的責任の明記について、旧中央青山が踏み込んだ提案をした模様だ。足銀は2日午前に取締役会を開き、和解文書への調印を機関決定する見通しだ。

 足銀は、破綻後の再建計画をほぼ達成し、金融庁が今秋をめどに新しい受け皿の選考を進めている。みすず監査法人は、不正決算への関与で顧客離れが止まらず、7月末の解散を決定済み。こうした状況から、両者で訴訟長期化を避ける機運が高まっていた。

 足銀は、旧経営陣に対して起こした複数の損害賠償訴訟でも、和解の道を探っている。

2007年07月02日 asahi.comから

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