綱へ大きく前進

土俵下から見上げた結びの一番で、朝青龍がよもやの完敗。全勝で走ってきた白鵬が、連続優勝と横綱昇進へ大きく前進した。

 相撲は今場所一番の強引な勝ち方だった。右の相四つ。203センチの琴欧洲と組み合った瞬間に左から投げを仕掛けた。上手が切れた小手投げ。一度体が離れた後、今度は左から相手の腕をとる。昨年初場所以来、関取昇進後2度目となる「とったり」が決まった。

 支度部屋に引き揚げてきた白鵬は、さすがに緊張気味だった。早ければ13日目にも「悲願」が達成される。「横綱が負けた? 自分の相撲を取るだけ」。明日にも優勝ですね、の問いには、自らを落ち着かせるように大きく息を吐いた。

 九重審判部副部長(元横綱千代の富士)は「白鵬はしっかり腕をたぐって勝負を決めた。落ち着いていて力強い相撲。大きな目標に向かって、内容としては非常にいい相撲じゃないの」と話した。辛口で知られるかつての大横綱も、12個目の白星に合格点を出した。

 敗れた朝青龍が唇を結んで先に入った風呂から上がると、視線を合わせずにすれ違った。白鵬は「緊張感はあるが、体は動いている。まだ、終わるまでは分からない。後は集中してやるだけ」と話した。

 残りは3日間。追いかける横綱らとは2差がある。後は「重圧」との戦いになるだろう。角界の新しい大看板誕生へ。いよいよ秒読みが始まる。

2007年05月25日 asahi.com

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